僕がHerbertと出会ったのは30年前のNY。共に笑い、ふざけ、ときに真面目な話しもしてよくつるんで遊んだ。ほどなく、彼は兵役を逃れた罪で刑務所に。その際、僕が太宰府で買って彼にあげたお守りと僅かな現金のみしか所持しておらず、看守に預けたが出所して返してもらった後もずっと大事にそれを今に至るまで持ち続けていたという。それから、音信不通の長い長い時を経て、自作のダンスケッチ絵本をクリエイターEXPOに出品した際に、スイスのTVメディアがたまたま自分のことを紹介していたらしく、Herbertの目に留まることに。彼はFace Bookで僕を見つけ出し、そこから交流が再会。彼はスイスで劇作家として活躍、賞も受賞し、現在TVの仕事も手掛けている。彼のパートナーのSabineもアーティストのレジデンスや低所得者をサポートする活動家である。そしてある日、Herbertにバーゼルに来て公演してみないかと誘われる。もちろん、二つ返事で引き受ける。しかし、それから4年の歳月が過ぎることに。紆余曲折、誠実で決して諦めないHerbertは見事、我々をスイスに導いてくれた。会ってみると、30年という時はあっという間に吹き飛んで当時のままの笑顔で抱き合って再会を喜ぶも、別れ際は2人とも溢れる涙を止められなかった。時空を超えて、友ここにあり。